梅雨目前!栄養士・管理栄養士100人に聞いた 食中毒リスクのある自家製レシピ第1位は【サラダチキン】 ~加熱調理時の「中心温度確認」が安全性のカギ~

株式会社エミッシュ(東京都目黒区/代表取締役 柴田 真希)は、栄養士・管理栄養士100人を対象に初めてアンケート調査を実施し、結果を公表しました。

近年の物価高や健康志向の高まりを背景に、家庭で料理をする機会が増えている中、SNSでは思わずマネをしたくなる映え写真やシズル映像とともに、手軽で再現性の高い「自家製レシピ」が多く投稿され注目を集めています。その一方で、衛生に関する正しい知識が伴っていないまま拡散されている実態も見受けられます。

今回、栄養士・管理栄養士100人に対し、SNSに投稿されているレシピを見た際に不安や疑問を感じたことはあるか尋ねたところ、半数以上が「衛生面に不安を感じる」と回答。さらに食中毒の観点からみて調理や保存の際に注意が必要だと思うレシピはサラダチキンが第1位でした。

■調査結果のポイント

(1) SNSに投稿されているレシピに対する不安や疑問「衛生面」「味付け」が最多
(2) 食中毒の観点で注意が必要なレシピ 第1位はサラダチキン
(3) 特に浸透していないと思われる食中毒対策は「加熱調理食品の中心温度確認」


■調査概要

調査方法        :インターネット調査
調査期間        :2025年3月26日(水)~4月6日(日)
有効回答者数     :栄養士・管理栄養士資格保有者100人


■専門家のコメント 

サラダチキンは鶏胸肉を低温でじっくり加熱するレシピが多いですが、家庭では温度管理が不十分だと中心部までしっかり火が通らず、細菌が残る可能性があります。特に「チャック付きポリ袋で湯せん」や「電子レンジ加熱」といった方法は均一に加熱するのが難しく、加熱不十分の可能性が高いです。保存時も、冷蔵庫で長期間置くとリステリア菌(※)が増える恐れがあり、冷凍しない場合は早めに食べる必要があります。

SNSだと「しっとりさせるために低温で」と強調されがちですが、その分リスクも上がります。安全に調理するには、中心温度が75℃ 1分以上またはそれ同等以上(65℃ 15分または63℃ 30分)まで加熱されていることを確認してください。湯せんや電子レンジを使用する場合、温度計で中心温度を測るか、加熱後に肉汁が透明であることを確認すると良いでしょう。保存は冷蔵(4℃以下)で3日以内を目安にしてください。食べる直前に中心までしっかりと再加熱するのも効果的です。レシピを参考にする場合は、油断しがちな温度管理や衛生管理を適切に行うことが、家庭の食卓の安全を守ることに繋がります。

※リステリア菌…食中毒の原因菌の1つ。自然界に広く分布され、生ハムなどの食肉加工品や未殺菌の乳製品、コールスローなどのサラダなどで集団食中毒が発生しています。

解説コメント:遠藤 恵(えんどう けい)

管理栄養士。保育園・こども園で約10年、食育と栄養管理に従事後、独立。大学・専門学校で給食経営管理実習や食品衛生学を指導するなど、食品衛生の専門家として科学的根拠に基づく食の安全推進に寄与。

■結果の詳細

(1) SNSに投稿されているレシピに対する不安や疑問「衛生面」「味付け」が最多

 『SNSに投稿されているレシピを見た際に、不安や疑問を感じたことはありますか?あてはまるものすべてお答えください。』と尋ねたところ、「衛生面に不安」が56票、次いで「味付け(濃い・薄い)」が45票という結果になりました。【図1】



(2) 食中毒の観点で注意が必要なレシピ 第1位はサラダチキン

『最近SNSでは、通常購入することが多い料理の自家製レシピも多く投稿されています。食中毒の観点からみて、調理や保存の際に注意が必要だと思うレシピはどれですか?』と尋ねたところ、第1位「サラダチキン」64票、第2位「マヨネーズやタルタルソースなどの自家製マヨネーズ系調味料」40票、第3位「ローストビーフ」「自家製おかずの冷凍食品」が同率39票という結果となりました。【図2】


(3) 特に浸透していないと思われる食中毒対策は「加熱調理食品の中心温度確認」

 『数ある食中毒対策のうち、一般生活者にはあまり浸透していないと思われるものはどれですか。

「特に浸透していないのではないか」と思うものを3つまで選んでください。』と尋ねたところ、「加熱調理食品の中心温度は、75℃ 1分もしくはそれ同等以上まで加熱されていることを確認する」が最多の73票という結果になりました。【図3】

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