株式会社エミッシュ(東京都目黒区/代表取締役 柴田 真希)は、栄養士・管理栄養士100人を対象に「夏のお弁当づくり」の意識調査アンケート調査を実施し、結果を公表しました。

間もなく夏休みシーズンを迎え、行楽イベントや部活動、学校給食の休止などにより、家庭でお弁当を用意する機会が増える時期になりました。気温や湿度が高まるこの時期は、梅雨から引き続き“食中毒対策”が不可欠です。
そこで当社は、全国の栄養士・管理栄養士100人に「夏のお弁当づくり」に関する意識調査を実施。生活者に「安全」と思われがちなおかずに潜む衛生リスクや、専門職である栄養士たちが日々実践している食中毒対策が明らかになりました。
■結果概要
・お弁当に入れないおかずとして上位に挙がったのは「葉物を含む生野菜」「ミニトマト」「半熟卵」「ポテトサラダ」など水分が多く傷みやすい定番食材。
・注目すべきは、「ちくわ」や「ハム」、「非加熱チーズ」など、そのまま食べられる加工食品。
常温で長時間持ち歩く弁当の場合、食中毒菌が増える可能性があるため加熱済み商品でも再加熱してから入れた方がよいと栄養士は指摘。
・栄養士が実践している対策では「しっかり冷ます」「水分を切る」「素手で触れない」などが
上位に挙がった。
■専門家のコメント
お弁当の彩りとしてよく使われるミニトマトや生野菜、半熟卵、ポテトサラダなどは、今や“要注意食材”として広く認識されつつあります。ですが、特に気をつけたいのは“そのまま食べられる”と思われがちなちくわやハム、非加熱チーズといった加工食品です。これらは冷蔵保存が前提で、常温で持ち歩くことで黄色ブドウ球菌などの食中毒菌が増える可能性があり、お弁当には不向きな場合があります。お弁当に入れる場合は必ず加熱してから入れるようにしましょう。
また、味付きごはんや自家製冷凍食品は、水分量や加熱・保冷の不十分が原因で菌の増殖につながる恐れもあります。安心してお弁当を楽しむためには、ごはんは白ごはんにする、しっかり加熱し冷ます、持ち歩く際の保冷対策を行うなど基本を守ることが大切です。
必要以上に頑張りすぎず、市販の冷凍食品なども上手に取り入れながら、“安全”も意識したお弁当作りを心がけてほしいと思います。

解説コメント:小野 くみ(おの くみ)
管理栄養士。病院や行政機関での勤務を経て独立。
「栄養の力で人生をもっと豊かに」をモットーに、主にスポーツに励む子どもたちを対象とした勝ち食のプロデュースに取り組む。挑戦する子どもたちと、その成長を支えるご家族を、食の面からサポートしている。
■調査概要
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2025年3月26日(水)~4月6日(日)
有効回答者数 :栄養士・管理栄養士資格保有者100人
■衛生の観点から避けた方がよいおかず 定番に続いて多いのが「ちくわ」「ハム」
「自身でお弁当を作る際に、一般的には入れそうだけど衛生の観点から入れない意外なおかずを1つ以上挙げてください」と聞いたところ、以下の回答が多く挙げられました。

図1:ご自身でお弁当を作る際に「一般的には入れそうだけど、衛生の観点から入れない意外なおかず」を1つ以上挙げてください。(自由回答)
・仕切りに使用するレタス等を含む生野菜 31件
・へた付きを含むミニトマト 25件
・半熟卵・卵料理(煮卵や卵サラダ) 20件
・ポテトサラダ 17件
・ちくわやハム、チーズ(非加熱) 16件
・マヨネーズ使用のおかず 9件
・汁気が多い煮物など 8件
■栄養士が実践するお弁当作りの衛生対策
『お弁当を作る際に気をつけていることを1つ以上教えてください。(自由回答)』と聞いたところ、以下の回答が多く寄せられました。

図2:お弁当を作る際に気をつけていることを1つ以上教えてください。(自由回答)
・しっかり冷ます(61件)
ごはん・おかずをしっかり冷ましてから詰める/粗熱が残っているうちはフタをしない
(フタをして湯気がこもってはNG)/ 等
・素手で触らない(18件)
手袋・菜箸・トングなどを使って詰める/手洗いを徹底し、調理中もこまめに洗う/
おにぎりも素手で握らずにエンボス手袋などを使う/調理器具も清潔に保ち、使い分ける 等
・水分を切る・除く(17件)
汁気の多いおかずを避ける/キッチンペーパーで水分を取る/煮物の汁を切る/
水分が多いおかずは別の容器に分けるなどの工夫をする 等
・保冷対策(13件)
保冷バッグを使う/保冷剤は複数使い、保冷時間を延ばす/凍らせたゼリーや冷凍食品を
保冷剤代わりにする 等
・十分な加熱(12件)
卵・肉・魚などはしっかり火を通す/卵焼きはゆで卵はしっかり火を通して半熟を避ける/
再加熱を徹底する、ちくわやハム、非加熱チーズなどの加工品も加熱してから使う 等
・弁当箱の消毒・乾燥(11件)
アルコールや酢で消毒する(フタや仕切りも消毒)/しっかり乾燥させる/ゴムパッキンの
清掃/弁当箱の素材に応じて熱湯消毒や電子レンジ消毒も活用する 等
・作り置きおかずの扱い(10件)
作り置きおかずは入れない/作り置きはなるべく避け、当日調理を心がける 等
・冷凍食品の取り扱い(6件)
自然解凍NGの冷凍食品は、必ず加熱して冷ましてから入れる/自家製の冷凍食品は
使用しない/冷凍野菜は水分が出やすいため調理の工夫が必要 等