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2026年の花粉シーズン。日本気象協会によると、今年は特に、東日本・北日本で例年より飛散量が多くなる見込みであることが予想されています。(※1)
また民間調査では、およそ2人に1人以上が花粉症とのデータも。(※2)まさに国民病ともいえる花粉症のストレスを少しでも軽くしたいと考える一方で、忙しい日々の中で「わざわざ特別な対策をする時間がない…」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、毎日の食生活で無理なく続けられる花粉症対策として、コンビニで手に入る食材を活用した対策法を、管理栄養士・中医薬膳士の早川悠珠さんに解説していただきました。
ぜひ、できるところから取り入れてみてください。
■管理栄養士が解説|花粉症と食事の関係
花粉症は、体内に入った花粉に対して免疫が過剰に反応し、鼻水・くしゃみなどの症状が出るアレルギー反応です。そのため、食事だけで花粉症が治るわけではありません。
一方で、腸内環境や鼻・喉などの粘膜のコンディション、炎症反応のバランスは、日々の食習慣の影響を受けやすいと考えられており、規則正しい生活習慣やバランスのとれた食事が花粉症対策に繋がると言われています。
すなわち、花粉症対策の食事は「治す」ではなく、「花粉の季節を乗り切るために、身体の内側から土台を整える」ことが目的です。
特に春は、寒暖差や新生活の始まりなどで環境の変化が影響し、心も身体もバランスが揺らぎやすい時期。だからこそ、頑張りすぎずに習慣化できるような整え方を意識しましょう。
また、健康食品・サプリメントを活用する場合も、位置づけはあくまでも「補助」です。病気の予防や治療を目的として販売されているものでも、食事の代わりになるものでもありません。
摂りすぎや薬との併用は避けるなど、取り入れ方には十分に注意し、不安がある場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
■コンビニ食材でできる!花粉症対策
ここからは「食事で身体の土台を整える」ことを前提に、コンビニ食材でできる花粉症対策について、4つの目的に分けてご紹介します。コツは、1品で頑張らないこと。チェックリストを参考に、「ベースの1品」+「足りない物を補う1品」の2点セットで選ぶと、無理なく続けやすくなります。
1.腸内環境を整えて免疫ケア!
免疫機能を担う免疫細胞の約7割が腸に存在すると推定されていることから「腸は最大の免疫器官」と呼ばれています。
腸内環境を整えるために重要なのが「発酵食品」と「食物繊維」。
納豆やキムチ・ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる乳酸菌や麹菌、根菜類やきのこ類・海藻類に含まれる食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境改善に働いてくれるため、積極的に摂りたい食材のひとつです。
【コンビニでの選び方】

◎(汁物)根菜・きのこ・海藻入りの味噌汁やスープ
◎(副菜)めかぶ、もずく、とろろ、豆の惣菜、カップサラダ・カット野菜
◎(発酵)納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルト(ドリンクでもOK)
◎(主食)雑穀・もち麦・玄米系のおにぎり、全粒粉・ライ麦パン
2.ビタミンACEで花粉やウイルス・細菌から守る力を応援!
レバーやにんじん、かぼちゃに含まれるビタミンA、赤ピーマンやブロッコリー、キウイやオレンジなどに含まれるビタミンC、アボカドやツナ、ナッツ類や植物油脂に含まれるビタミンEなど、ビタミンの中でも特に抗酸化作用の高い抗酸化ビタミンA.C.Eをまとめて「ビタミンACE(エース)」と呼んでいます。
抗酸化作用とは、免疫細胞や血管を傷つける活性酸素の働きを抑える作用のこと。
ビタミンACEをしっかりと摂ることで、免疫機能の低下を防ぎ、花粉症対策に働くといわれています。また、ビタミンAやCは皮膚や粘膜の健康を保つ働きも期待でき、鼻やのど・敏感になった肌を守ってくれます。
【コンビニでの選び方】

◎(たんぱく質)ゆで卵、ツナ缶、焼き魚・煮魚など
◎(野菜類)ブロッコリー・パプリカ等の緑黄色野菜のサラダや惣菜
◎(いも類)かぼちゃサラダ、さつまいも・じゃがいもの惣菜
◎(果物/間食)カットフルーツ、冷凍フルーツ、ミックスナッツ
3.DHA・EPAで炎症ケア!
ブリやサバ、ハマチなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のDHA・EPAは、アレルギー症状の改善に役立つ可能性があるといわれており、花粉症のアレルギー症状を軽減する働きが期待できます。
【コンビニでの選び方】

◎(惣菜/チルド)ブリ照り焼き、さわら西京焼き、しめさば
◎(缶詰)さば缶、いわし缶、ツナ缶
4.身体を温めて免疫の土台をサポート!
適度な体温を保つことは、免疫機能の維持に役立つと考えられているため、たんぱく質やビタミンEなどの身体を温める食材は免疫機能の維持に働きます。温かい汁物を軸に、たんぱく質を組み合わせると整えやすくなります。また、鉄分が不足しがちな方は、たんぱく質と合わせて鉄を補給することで血行が良くなり、身体を温める働きが期待できます。
たんぱく質は鶏むね肉や鶏ささみ、納豆や鮭などの肉・魚・大豆製品、乳製品に含まれ、ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類やかぼちゃなどに含まれます。
鉄はレバーやシジミ、あさりに含まれ、根菜類やしょうが・発酵食品は身体を温めてくれます。
【コンビニでの選び方】

◎(汁物)味噌汁/スープ(豚汁など具だくさんのチルド商品)
◎(たんぱく質)サラダチキン、豆腐、ゆで卵、納豆、焼き魚、枝豆、プロテイン入りヨーグルト等
◎(プラスα)しょうが入りメニューや根菜入り汁物
■もうコンビニで迷わない!4カテゴリー別チェックリスト

- 発酵食品・食物繊維
・納豆、キムチ、ヨーグルト、みそ汁、根菜類、きのこ類、海藻類、おにぎり(もち麦、玄米等)など
- ビタミンACE
・レバー、銀だら、ツナ缶、さつまいも、じゃがいも、カットフルーツ(パイナップル等)、冷凍フルーツ(ブルーベリー、ミックスベリー、パイナップル等)、緑黄色野菜のサラダや惣菜、アーモンド等
- DHA・EPA
・ブリ照り焼き、〆さば、さわら西京焼き等
・さば缶、ツナ缶、イワシ缶等
- たんぱく質(+α:鉄)
・サラダチキン、豆腐バー、プロテイン入りドリンクやヨーグルト、ゆで卵、豆腐、焼き鳥、焼き魚、枝豆、納豆、ツナ缶等
・しじみ、あさり等
■まとめ
コンビニ食材でできる「花粉症対策」、いかがでしたでしょうか。
花粉症対策のポイントは、単に症状を抑えるだけでなく、日々の食事を通じて「ウイルスやストレスに負けにくい身体の土台」をつくることです。
自炊が難しい忙しい日々の中でも、コンビニでの「選び方」を少し意識するだけで、必要な栄養を賢く補うことができます。継続の鍵は、頑張りすぎない選択肢を持つこと。この記事が、国民病ともいわれる花粉症シーズンを健やかに乗り切るためのヒントになれば幸いです。
■監修者プロフィール
早川 悠珠(はやかわ ゆず)
管理栄養士・中医薬膳士。
医療・健康領域のコンテンツ制作や栄養監修に携わり、生活者が「無理なく続けられる」実践的な食事提案を得意とする。
※1 日本気象協会:2026年 春の花粉飛散予測(第3報) ~まもなく花粉シーズン 暖かい日は要注意 飛散のピークは2月下旬から~
https://www.jwa.or.jp/news/2026/01/32540/
※2 ウェザーニュース:花粉症調査2026
https://weathernews.jp/news/202601/280126/
【参考文献】
・花粉症環境保健 マニュアル 2022年3月改訂版 環境省
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf
・花粉症対策リーフレット 花粉症対策-スギ花粉症について日常生活でできること- 環境省・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001203112.pdf
・「正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学」
*監修者:吉田企世子、松田早苗 *発行者:高橋秀雄
*発行所:株式会社 高橋書店 *発行年:2021年3月30日
・「栄養の基本がわかる図解事典」
*監修者:中村丁次 *発行所:成美堂出版 *発行年:2020年4月1日
・「栄養の教科書」
*監修者:中嶋洋子 *発行者:富永靖弘
*発行所:株式会社新星出版社 *発行年:2012年10月25日